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ついに出た、桜庭一樹の新刊。

読んでるとき、すごく胸が締め付けられそうになった。それはページをめくるたび、めくるたび、強くなっていった。

この話は最後から最初まで、川の下流から上流へと向かっていく旅のように配置されている。最初は主人公の親子をどうしようもない狂信者と思ってあんまり好きになれなかったが、時代が戻っていくたびに新しい事実がまたひとつ、またひとつ、と出てきて、いつしか花と私がオーバーラップしていた。

主人公の腐野花は義理の父親の淳悟に強烈な感情を抱いている。それは恋愛とか、親子とか、そういうものを逸脱している。淳悟もまた、花に対し強烈な感情を抱いている。神と信者の二面性を持つ人物が出会い、濃厚な関係を構築していくように。桜庭本人が「感情で書いた作品」というだけに、『赤朽葉家の伝説』のような周到に計算されたサーガとは程遠いが、それ故に一種の凄まじい神話性を持ち合わせる壮大な物語となっている。まず、一番初めから読んでみて、そして今度は後ろからもう一度読んでみる。そうすると多大な感動を得られるだろう。
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