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桜庭一樹の超大作、最速で感想行きます。
面白い! 桜庭作品の中でも一・二を争うほどこれ面白い!
けど、圧倒的量・難解な内容で初めて読む人にはすごく勧めづらい本。
殺人を犯した母親・マコとその娘・コマコの逃避を描いた作品。普通の通俗小説のようですが、実はガチガチの純文学だと思う。それもポストモダン寄りの。
実際に逃避が描かれるのは第一部のみで、その後はコマコを中心として話が進みます。帯文で強調されている逃避というテーマよりは、ある種のビルディングス・ロマンと言ったほうがいいかもしれない。めっちゃ歪んだ形での。
まずこの小説に流れているのは家族と言う根から掘り下げた生と死というテーマで、ものすごく「王道」でテーマも分かりやすく伝わってくるのですが、それ故に無駄が一切無い。
また、これまでの桜庭作品(『推定少女』・『私の男』・『赤朽葉家の伝説』・『荒野』)を想起させられるような描写があり、意図的にこれらと対比させているようです。
文体は非常に流麗かつ擬音や改行を大胆に用いたものに大幅に変わっています。かなり『荒野』に近い、ライトノベル的なものですが、これに騙されてはいけません。一文一文の密度が非常に高く、適当に流し読みしていると置いてけぼりになります。
第二部になると、マジック・リアリズム色が一気に私小説色に変化します。これは実はもしかしたら桜庭一樹の自伝なのではないか、と思うほどに。これもある種の「成長」を表すガジェットだと思います。
『私の男』が退行のビルディングス・ロマンとするなら、こちらは正統派ビルディングス・ロマン。何度も丹念に読み返す価値ありです。
けど、圧倒的量・難解な内容で初めて読む人にはすごく勧めづらい本。
殺人を犯した母親・マコとその娘・コマコの逃避を描いた作品。普通の通俗小説のようですが、実はガチガチの純文学だと思う。それもポストモダン寄りの。
実際に逃避が描かれるのは第一部のみで、その後はコマコを中心として話が進みます。帯文で強調されている逃避というテーマよりは、ある種のビルディングス・ロマンと言ったほうがいいかもしれない。めっちゃ歪んだ形での。
まずこの小説に流れているのは家族と言う根から掘り下げた生と死というテーマで、ものすごく「王道」でテーマも分かりやすく伝わってくるのですが、それ故に無駄が一切無い。
また、これまでの桜庭作品(『推定少女』・『私の男』・『赤朽葉家の伝説』・『荒野』)を想起させられるような描写があり、意図的にこれらと対比させているようです。
文体は非常に流麗かつ擬音や改行を大胆に用いたものに大幅に変わっています。かなり『荒野』に近い、ライトノベル的なものですが、これに騙されてはいけません。一文一文の密度が非常に高く、適当に流し読みしていると置いてけぼりになります。
第二部になると、マジック・リアリズム色が一気に私小説色に変化します。これは実はもしかしたら桜庭一樹の自伝なのではないか、と思うほどに。これもある種の「成長」を表すガジェットだと思います。
『私の男』が退行のビルディングス・ロマンとするなら、こちらは正統派ビルディングス・ロマン。何度も丹念に読み返す価値ありです。
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