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『海獣の子供』の五十嵐大介が前に連載していたのがこの『魔女』。
その名の通り、世界の「魔女」をモチーフとした作品です。
その名の通り、世界の「魔女」をモチーフとした作品です。
『スピンドル』と『クアルプ』を収録。
一番好きだったのが『スピンドル』で、これはかなり強烈だった。
バザールを潰そうと野心を燃やすニコラと伝言者を憑依させたシラル。二人の対照的な魔女の姿を通し、言語を超越した世界の片鱗を見せてくれる。
ニコラは幼い頃に彼氏にフられたことを未だ根に持って行動している。彼女は魔道書の解読により、強大な力を入手するが、老婆に「部屋の外から出ただけで家の外から出ていない」と言われてしまう。ニコラは屈辱を味わう前に自分を殺すためのナイフを持っていた。自分の野心を叶えるためには殺人も厭わない性格のニコラは現代人の象徴のように思える。彼女は野望をかなえるため、悪霊を呼び寄せてバザールの支配人を殺そうとするが、シラルに阻止される。自然と一体化したシラルの姿はニコラには見えないのだ。そして、自分の非を認めないニコラにシラルは言う。
「秘密は永遠に秘密のまま」
シラルはニコラを言語という鎖から解放する……。
五十嵐氏は現代人の閉塞的な性格の解放をこの『スピンドル』で描いている。絵の美しさ、微妙な世界観が、その閉塞と解放の世界を盛り上げていく。
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