忍者ブログ
エンタティメント紹介ブログ
53  52  51  50  49  48  47  46  45  44  43 
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。


『おやすみプンプン』のやろうとしていること
『おやすみプンプン』は浅野いにおがヤングサンデーで連載している青年漫画で、鳥の姿をしていること以外は普通の少年のプン山プンプンの人生を描いたもの。これまでの浅野いにおはずっと「大人になるって残酷だけどなっちゃえば子供の感覚なんて忘れちゃう」だとか「人生は何をしてても過ぎていく」みたいな倦怠感の溢れたゆるい漫画と、暴力と欺瞞のかたまりみたいな漫画の2つを描いていて、これらは完全に分離されていた。ところが『おやすみプンプン』はコミカルな描写(青春の陽部分。『ソラニン』的)と邪悪な描写(青春の陰部分。『虹が原』的)を歩み寄らせている。ところどころに挟まれる小エピソードは明るく、コメディタッチで描かれているが、大きなストーリーは陰鬱そのもの。家庭内暴力で複雑な家庭環境を抱えるプンプン、新興宗教につき合わされている愛子、アホの子にしか見えないシミちゃん、暗い過去を持つ関。事態は急変し、引き返すことの出来ないところまで来ている。
おやすみ、プンプン
『おやすみプンプン』一回読むとギャグマンガのようにしか見えないが、展開を掴んで読み直すと非常にシリアスな内容になっているという面白い仕掛けを持っている。現実的な心理描写やストーリー展開の中、唐突としてシュールなシーンが挟まれているのだ。このシュールなシーンが重厚な展開の緩衝材になっていることは読者ならば分かってくれると思う。
一回だけ、「おやすみ、プンプン」というフレーズが挿入されるところがある。そこをきっかけに展開は急変することになる。これまであったコミカルなシーンは徐々に失われ、友情がボロボロと意図せずに過失していく。みんなで星を見るシーンが前に見開きで出てきたが、それと対比すると随分孤独なところへ向かうところで2巻が終わる。コメディを自分の手で破壊しているようだ。
青臭くない浅野いにお
浅野いにおの「青臭さ」はだいぶ取れて、これまでのファッションサブカル向けの作品からだいぶ一般向けに近づいてきた。これから、浅野いにおには一般受けも通り越して、もっとディープなところに行ってもらいたい。そこにいけるかどうかで、描く漫画の傾向が異なってくる。
PR
COMMENT
NAME
TITLE
MAIL
URL
COMMENT
PASS
TRACKBACK
TRACKBACK URL
忍者ポイント
カレンダー
03 2024/04 05
S M T W T F S
1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30
フリーエリア
最新CM
[12/22 藍色]
[03/10 ランバルド]
[03/09 売れない漫画家]
最新TB
プロフィール
HN:
ランバルド
性別:
非公開
バーコード
ブログ内検索
忍者ブログ [PR]
"ランバルド" WROTE ALL ARTICLES.
PRODUCED BY NINJA TOOLS @ SAMURAI FACTORY INC.