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正直言うと、この本を知らないジブリ好きは是非とも購入するなり貸してもらうなりして読むべき!
巨人の上で貧しい生活を強いられる少年オーリャは型破りなディエーニン教授の助手として日々研究をし、雲の上の少女と遭遇します。「踏み出し祭」という大祭が始まったとき、オーリャたちの住む巨人が朽ち始めて、騒動が起きていきます……。
「古橋版ラピュタ」と言われている通り、このストーリーラインは「ラピュタ」や「ナウシカ」を想起させられるようなものです。
雲の上、スチームパンク的世界、空からの少女、大きな生物として捉えた世界など……。どれも初期ジブリを感じさせるガジェットばかりです。
ページ数は短いのですが、そこにそれらが凝縮されているため、決して内容が薄いなんてことはありません。「ミール」と呼ばれる巨人の全貌を見る冒頭、雲の上に初めて来たときの感動、巨人の死と再生……全てが実際に読者が体験しているように錯覚するほどの迫力ある文章で表現されています。
また、信仰や未知への探求などのなかなか深いテーマにも触れていて、ぞくぞくします。主人公達を取り囲む人間は皆どこかしら影を持っているのですが、そこだけを強調せず、人間臭さや葛藤心、悲哀を描いているのも素晴らしかったです。(一応)悪役?のウーチシチも、熱心な信仰心から自ら死を選ぶのですが、オーリャとの、絶望と憎悪と悲しみに満ちた最後のやりとりが非常に泣かせるのです。オーリャを道連れにしようとした行為も、一見すると冷徹な悪役のようですが、そこに至るまでのウーチシチの考えをまとめると、もっと根本的なところから、人間的なところから来た行為のようにも思えます。
それと、全体に神話性がある話でした。張り紙に書かれた、天球を支えるミールも、神話的モチーフのある図(たしかタイタンだったっけ)ですし、巨人の死と再生というテーマや巨人の背中の上と雲の上の対比なんかそれこそ神話です。
欲を言うと、最後が急いでいるようだったので、もっと分厚い本にしてもらいたかったです。もう、1000ページ超えでも、2000ページ超えでもいいから、どっしりと書いてもらいたかったです。

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